<報告>第14回サウンドヒーリング研究会に参加して
去る11月7日(土)の昼下がり、第14回サウンドヒーリング研究会が開催されました。
今年でこの研究会は、14年目ですが、今回は、コロナ禍対応と言うことでZOOMによるオンライン開催となりました。
今年のテーマは、「自律神経からひも解く体の回復力」ということで、西條一止先生(サウンドヒーリング協会理事、国立大学校法人 筑波技術大学 名誉教授、医学博士)の特別講演がありました。
ここでは、以下、私の印象に残った内容をご紹介します。
目次
- ○ 第14回サウンドヒーリング研究会に参加して
- ・西條先生の特別講演で印象に残ったこと
- ・関連書籍、テレビ番組の紹介
- ・最後に再び喜田理事長が登場し、直近1年間の活動報告と締めくくりの挨拶をされました。
- ・参考文献・資料等
第14回サウンドヒーリング研究会に参加して
講演に先立ち、サウンドヒーリング協会理事長 喜田圭一郎氏より挨拶があり、その中で話された「現在の不安なニュースを聞き、これに自分も同調してしまうと自律神経系のバランスが乱れてしまい免疫力を下げてしまう。」この一言がとても印象的でした。
西條先生の特別講演で印象に残ったこと
西條先生の講演では、1時間あまりの限られた時間の中で、自律神経の基礎から先生が長年研究されてきた成果の要旨をとても簡潔に明確に図表を用いて説明されました。
講演内容で印象に残った部分を以下に記します。
皮膚や皮下組織への不快でない刺激は、副交感神経機能を亢進(高める)させる。
呼吸と副交感神経機能の関係は、吸気時は副交感神経機能が抑制されるが、呼気時には、副交感神経機能が高まる。
座位の姿勢が、副交感神経機能の高まりに交感神経機能の同調を促す。
その結果、両自律神経の機能が高いレベルで調和し、身体を治す力や回復力、調節力を高めていることがわかった。
自律神経機能を分離する研究が、期せずして、身体の治す力、調節力、自然治癒力の解明に繋がった。
これは、刺鍼刺激だけではなくて、自然音などの快い刺激に対しても副交感神経機能、交感神経機能の両機能の亢進が確認され、コルチゾールは減少し、オキシトシンが増加した。自然音の有効性、素晴らしさを再確認した。
関連書籍、テレビ番組の紹介
2016年6月NHKで「座位で背中をなでる」と愛情ホルモン“オキシトシン”の分泌が増加するという内容が放送された。この“背中をなでる”行為も不快でない皮膚刺激になるので、オキシトシンが分泌され安くなる状況になるとのことでした。
菊池和子著の「いのちの体操」では、足部・下腿にある仕組み(身体を治す力)があり、結果、足底への即打刺激、体感音響が、交感神経機能を主体とする「治す力、回復力」を高める反応を観察した。この結果、生体には、「身体の調節力、治る力」を高めるルートとして、「交感神経機能が主体的」に活動するルートと「副交感神経機能が主体的に」活動するルートの2つが存在することが予測された。
交感神経機能が高まるのは、古代の生活では、直ぐに逃げるという緊急事態に対応するためと考えられる。
2018年に放送された“シリーズ人体 神秘の巨大ネットワーク第3集 “骨が出す!最高の若返り物質”では、骨が作り出す若返りの物質があることを紹介。これは、骨を刺激することによって、破骨細胞や骨芽細胞の活動が活発になり、併せて記憶力、免疫力、精力、筋力を増加させるメッセージ物質を分泌して体内の他の組織に伝達している。骨も身体のネットワークの一員であることがわかった。
最後に再び喜田理事長が登場し、直近1年間の活動報告と締めくくりの挨拶をされました。
その中で、「協会は、来年20周年です。これからは、自分で出来ることを自分でやっていく時代になる。加齢は老化ではなくなる時代となる。もっと各自の身体を信頼し、感謝することや病気を自己責任で予防する時代となる。…(中略)…自分に革命を起こして、新しい自分づくりを一緒にやっていきたい。主役は私たち一人ひとりの命の力であって、音は援助しているだけなのですから…」など力強いメッセージを送られていました。
参考文献・資料等
◎本研究会及び講演の詳細については、発表がありました様に後日サウンドヒーリング協会ホームページ、またはYouTubeサウンドヒーリング協会チャンネルで後日発信する予定とのことでしたので、そちらをご覧ください。
◎参考文献:臨床鍼灸学を拓く―科学化への道標 第2版 著:西條一止(医歯薬出版)
◎参考資料:NHK シリーズ人体 神秘の巨大ネットワーク第3集 “骨が出す!最高の若返り物質”